今回は『through』について解説をします。

『through』の基本イメージは『ある速度で通り抜ける』です。
① ある速度で通り抜ける
② プロセスを経る
③ 苦い経験をする
④ 転送する
① The bullet train went through the tunnel.
(その新幹線はトンネルを抜けた。)
The apple fell through my hand.
(そのリンゴは私の手をすり抜けた。)
② I met Tom through my English teacher.
(私は英語の先生を通してトムに会った。)
I have learnt a lot of things through this university life.
(私はこの大学生活を通して多くのことを学んできた。)
This business will nearly be in success through 4 phases.
(このビジネスは4つのフェーズを経て、もうすぐに成功するだろう。)
③ I have gone through better experiences.
(私は多くの苦い経験をしてきた。)
I managed to survive through the civil war.
(私は何とか内戦を生き抜いた。)
④ Gas in this plant is transferred to that tank through this pipeline.
(この工場のガスは、このパイプラインを通じてタンクに送られる。)
I will put you through to Mr. Tanaka.
(私がこの電話を田中さんに繋ぎましょう。)
Let me through about this project.
(このプロジェクトに関しては私を通してください。)
どうでしょう。『Through』の持つスピード感を上の4つの例文から感じ取れたでしょうか。
学校では『through』は、通り抜けると説明されたと思いますが、それだけでは『through』のイメージをキチンと文脈に合わせて解釈することが難しいと私は思っています。
① ある速度で通り抜ける

トラックや自動車、それ以外にも新幹線などの乗り物がトンネルを通過する時、あるいは乗り物でなくても物体が一定の速度で何かを通り抜ける時に『through』を使います。
② プロセスを経る。

ビジネスでもプロジェクトなどはフェーズごとにリスクをキチンと管理して、目標に向けて組織で動きます。スタートからゴールまで様々なプロセスを経てビジネスのプロジェクトは行われていきます。
上の図の矢印が各フェーズを通り抜けていて『through』のイメージとマッチしていることが分かると思います。だから、プロセスを経るという表現には『through』が相性が良いんですね。
③ 苦い経験をする。

辛い経験というのは、正解が分からないため、視界不良の中を歩いているような感覚から『through』が使われています。霧が掛かっていて周囲が見えない状況の中、自分の持てる限りの力で駆け抜けるというイメージが持てれば、なぜ辛い経験に『through』を使うのかが理解できるはずです。
④ 転送する。

上の例文でも挙げていますが、ガス配管を通してタンクにガスが溜まるということを英語で表現する場合にも『through』は使います。それ以外にも電話を転送する場合、誰か特定の人に話を通す場合も『through』を使います
このように基本となるイメージを理解した上で英語を読むと、辞書を引く回数が圧倒的に少なくなります。ここで私が言いたいのは、辞書を引くことが悪いことだという意味ではありません。
辞書を引くこと自体は良い事なのですが、英文読解中に何度も何度も辞書を引いていると、だんだん疲れてきて、英語学習が嫌になってしまうんです。だから、極力イメージで単語の意味を推測する力を鍛えることが重要なんです。
No responses yet